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専門外来 SPECIALITY

整形外科 ORTHOPEDICS

甲斐 博高(カイ ヒロタカ)
所属 2008年4月~ 日本大学整形外科研修医
2020年6月~ 上郷どうぶつ病院 院長
経歴 2001年4月 川畑動物病院 入社
2010年 AOVET COURSE-PRINCIPLES IN SMALL
ANIMAL FRACTUREMANAGEMENT
2014年 AOVET COURSE-ADVANCES IN SMALL
ANIMAL FRACTUREMANAGEMENT
2020年5月 川畑動物病院 退職
2020年6月 上郷どうぶつ病院 開業
担当医コメント

神経疾患や整形外科疾患は、品種特異的に発症する疾患も多くあり、品種・年齢・症状・発症の経過をお伺いし、視診、触診、歩行検査、神経学的検査、整形外科学的検査など系統立てた診断アプローチに力を入れています。症状によってはレントゲン検査や関節の超音波検査、関節液検査を行い、場合によっては血液検査やCT検査を勧める場合もあります。
確定診断後はそれぞれの疾患における保存療法(内科療法)や外科療法の選択の根拠や治療方針について詳しく、分かりやすくご説明し、飼い主様に幅広い選択肢をご提供できる様努めてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。

整形外科病気について

骨折

骨折の多くは交通事故などの強い外力が原因となりますが、小型犬が抱っこから過って落下して骨折するケースやソファやイスから飛び降りた際に骨折してしまうケースも多くあります。骨折は原因や部位、病態が様々であるためプレート固定、創外固定法、ワイヤー、髄内ピンなど治療法も様々です。

最小侵襲プレート骨接合術 : Minimam Invasive Plate Osteosynthesis(MIPO)
受傷日 手術日 手術6日後 手術13日後 手術48日後
前十字靭帯断裂

前十字靭帯断裂は犬の膝関節疾患の中でも代表的な疾患のひとつで、小型犬から大型犬まであらゆる大きさの犬種で認められます。ボール遊びやフリスビーなどの走行中に急にターンをするような運動時に起こりやすく、運動の活発な若齢な犬や加齢や免疫介在性疾患、肥満動物にも多く見られ、食事管理や運動など生活習慣に注意する必要があります。重症度に応じて整復手術をお勧めいたします。

前十字靭帯断裂症例 下腿骨が前方に変位 手術後のレントゲン写真
股関節形成不全

股関節形成不全は大型犬種、超大型犬種に高率に認められ、小型犬種および猫にも認められます。若齢期に発現する型と中齢から高齢にかけて発症する型があり、股関節の支持組織の炎症と骨関節炎が発症、進行し関節軟骨の損傷、関節の可動域の減少が認められるようになります。特徴的な症状は、“後肢のふらつき”で散歩を嫌がる、段差を嫌がるなどがあります。
シェパードや大型の繁殖犬の肘関節や股関節のレントゲン検査も実施しておりますので、ご相談下さい。

股関節脱臼

交通事故や落下など強い外力が加わった際に脱臼する事があり、股関節形成不全を認めない場合、全身麻痺下で非観血的整復を実施し、包帯が関節を動かなくして治療する事もありますが、再脱臼を認めた場合は手術をします。

右股関節脱臼のレントゲン写真 手術後のレントゲン写真
膝蓋骨内方脱臼

膝蓋骨内方脱臼は犬における最も一般的な膝関節の異常の一つで、軽度から重度な跛行を示すものまで非常に多様です。膝蓋骨脱臼に対する分類法(Grade 1〜4)があり、臨床症状の有無、経過、犬種、年齢、体重、その他の併発疾患などを基に保存療法または外科療法を決定していきます。 膝関節の不安定性のために前十字靭帯断裂の大きな要因の一つです。

膝蓋骨が内側へ脱臼しています
椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアは椎間板が脊髄を圧迫することで起こる神経学的疾患です。ミニチュアダックスに代表される軟骨異栄養犬種 によく起こるとされているハンセンⅠ型(髄核が突出型)と加齢に伴う繊維輪の変性、弾性の低下などから起こるとされるハンセンⅡ型(繊維輪突出型)があります。頚部、背中を痛がる、抱こうとするとキャンと鳴く、歩くときに後ろ足がふらつく、起立不能などが症状で、Grade1〜5があり、治療方法はその重症度(Grade)により治療方法が異なり、基本的にGrade 3よりも重症の場合は外科手術適応となります。発症からの経過時間によっても回復率が左右されるため早期対応が必要となります。

川畑動物病院で多い症例とその治療方針

膝蓋骨内方脱臼

膝蓋骨内方脱臼は犬における最も一般的な膝関節の異常の一つで、軽度から重度な跛行を示すものまで非常に多様です。多くの脱臼は生後早期に発症し、外傷との関連性がないことから、『先天性』と言われます。出生時に脱臼は認められなくても、脱臼の原因となる解剖学的な異常はこの時点で存在しており、成長に伴い脱臼の症状を認める事があります。
膝蓋骨内方脱臼は小型犬種に多く認められますが、近年では大型犬や超大型犬にも認められています。
膝蓋骨脱臼には分類法(Grade 1〜4)があり、臨床症状の有無、経過、犬種、年齢、体重、その他の併発疾患などを基に保存療法または外科療法を決定していきます。
膝関節の不安定性は前十字靭帯断裂の大きな要因の一つです。