ペットオーナーさんと働く獣医やスタッフの需要とバランスを
帰国後は当院に勤務しながら、2年目に院内を改装し、新たにCTなどの設備を整えました。地域の病院との連携を考えて、設備を活用するための勉強会も開きました。
以前は、獣医は自己開業するケースがほとんどでしたが、今は人口減少にともない飼育頭数も減っているため、それも厳しい時代です。さらに動物病院はどこも同質化していて、これ以上差別化するのが難しいのが現状。そんな時代に重要なのは、そこで働く人なのです。
ペットオーナーさんの需要と働く獣医の需要をバランスよく考えないと、高いパフォーマンスは望めません。ペットオーナーさんにとっても、当院で働く人にとってもメリットがある仕組みとして、まずは当院の評価やバリューを高めることが重要です。
そこで、できるだけ長く獣医やスタッフが勤められる仕組みを考えました。辞める理由として、「休みがない」「給料が安い」「自己裁量が少ない」「経営者がちゃんと勉強してない」といったことが挙げられますが、僕は残業改革をはじめ、これらをひとつずつ改善しました。
横須賀は半島という土地柄、ペットオーナーさんがエリア内で完結させたい需要があるところです。1人の獣医がやりきれない部分は、それを補填できる別の先生が必要です。獣医やスタッフにしても、ライフスタイルにあわせて、たとえば、専門医や業務委託医が週に1回だけ勤務できるようにするなど、働き方を柔軟かつ多様化していけたらと考えています。
また、獣医やスタッフが長く勤められる仕組みとして、残業時間の管理、長期休暇、産休制度、退職金積立、人材投資、評価制度、キャリア形成、業務の効率化、全体会議導入、年3回の面接、リーダー面接などを行なってきました。