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スタッフ紹介 STAFF

ドクターインタビュー

柔軟でオールマイティーな治療で、救える命を少しでも多く救いたい
前川 良子
Maekawa Ryoko
根っからの動物好きが獣医になりました

獣医になったきっかけは、もともと動物や海獣が純粋に好きだったことが影響しています。実際に子どもの頃から犬を飼っていましたし、大学時代からはずっと猫を飼っています。動物なしの生活をしたことがないなかで、自然と獣医を志すようになりました。

自分でもペットを飼っているので、飼い主さんの気持ちが親身に理解できますし、犬や猫の接し方がわかるのは私の強みですね。当院のスタッフにも犬や猫を飼っている人が多く、たとえば研修で出張するときなどは、当院のペットホテルに預けることがあります。基本的にどのスタッフも動物が好きな人たちばかりなので、きっと優しくしてくれているんだろうなと想像しながら預けていますね(笑)。

動物の生死と向き合ったことが、最初のターニングポイント

まだ獣医を始めて間もない頃、リンパ腫にかかった犬の治療と向き合ったことが獣医として大きなターニングポイントとなりました。飼い主さんもとてもいい方で、私を信頼して治療を任せてくれましたが、当時はまだ浅かった抗がん剤治療の知識を強化するきっかけとなりましたね。もちろん、飼い主さんとのパートナーシップの築き方も学びました。

ペットへの接し方や診察も大切ですが、飼い主さんによって最善とするゴールが違うため、本当はなにを望んでいるかを話し合いのなかでしっかり見極めることを心がけています。たとえば、ペットにとって負担の大きい治療をするよりも、なるべく余生を一緒に過ごしたいなど、飼い主さんの希望に沿った治療ができるかどうかが大切だと思うのです。そのためにも、飼い主さんの気持ちを汲み取る努力は重要ですね。ワンちゃんや猫ちゃんにとっても、家で大好きな飼い主さんと一緒に過ごすことが幸せだと思いますから。

オールマイティーにどんな診察もできる獣医として

人の場合は風邪なら内科、ケガなら整形外科というふうに科目ごとに分かれていますが、日本における動物病院のあり方は、たとえば飼っているワンちゃんの眼が充血しても、咳をしていても、とりあえず駆け込む先になっているのが現状です。

今後はジャンルごとに分かれていくかもしれませんが、いろんな状況を判断し、あらゆる分野でちゃんと診察できることが、今の段階では獣医にとって必要なことです。

ということで、基本的にオールジャンルで診療に当たり、飼い主さんのあらゆるご要望に応えられるように、日々精進しているところです。学会に定期的に参加するほか、医療系の文献や獣医専用のSNSなどで最新情報を常にアップデートしています。当院に在籍する獣医にも相談して、チームワークを発揮することもありますよ。

動物医療の進化をアップデートしながらも大切にしていきたいこと

私が獣医になりたての頃から比べると、医療技術はめざましく進歩しています。たとえば、救急で診察するときに使う超音波機器などは、昔はありませんでした。そもそも動物向けの救急医療という概念がなく、近年ようやく人に倣った動物向けの救急医療のガイドラインもできてきました。その点、当院では最新の医療機器が充実しているので、診察は格段にやりやすくなっています。

人と比べると、動物の入院は長くても1カ月程度と短いものです。ただし、人と比べると動物の場合、診察時間ははるかに長いです。たとえば人が風邪を引いて診察を受けると、2〜3分で終わることも多いですが、動物の場合、30分はかかります。というのは、動物は「ここが痛い」とか「ここが辛い」ということを話せないため、それを判断するのに時間がかかるのです。ときとして、飼い主さんが認識しているところとはまったく別の箇所に病気が見つかるケースも少なくありません。そうした意味でも、診察にはなるべく時間をかけてていねいに診るようにしています。

飼い主さんの気持ちに寄り添って、わかりやすさをモットーに

近年は猫の純血腫が流行っている背景もあって、昔と比べると猫好きの飼い主さんが増えました。それに比例して、最近は猫の予防治療を熱心にする人など、アニマル・リテラシーの高い飼い主さんが増えている印象です。

とはいえ、愛するペットに手術が必要な重症のケースは、動揺する飼い主さんがほとんどです。まずはその気持ちを受け止めた上で、事実は事実としてきちんとお伝えしています。お話ししただけでは理解できないことも多いので、紙に書いてわかりやすく説明することもありますよ。

ほかにも、当院にやって来る動物たちの容体は実にさまざまです。年に2回定期検診を受けていても、その半年後に容体が急変してしまうこともあります。ただ、最近はペット保険に加入する飼い主さんも多いため、少しでも異変があれば来院するケースも増えて、比較的手遅れということは減っているように思います。

柔軟に治療に対応することで、すべての飼い主さんに安心感を

何があるかわからないのが命というものです。より幅広くオールマイティーに、あらゆる病気に対応できるようになるために、当院に定期的に来られる専門の先生からもさまざまな知識を吸収していきたいです。

大学病院に紹介しなければならないようなレアケースは別として、当院で大体のことは対処できるようにより強化していくことで、救える動物を少しでも救えたらと思っています。

当院に来られる飼い主のみなさんへ

当院では、前院長の代から30年間通い続けている常連の飼い主さんもいて、かかりつけ医として信頼いただいています。

かわいがっているペットに万一の不調が表れると、とても不安な気持ちになると思います。不安な気持ちでいるよりも、ささいなことでも構いませんので、気軽に来院し、ご相談いただけたらと思います。

【獣医の方へ】当院で働くメリット

私の場合、諸先輩方にも恵まれていたということもありますが、院内のベテランの先生方から学ぶことはたくさんあります。院外からもいろんなスペシャリストの先生が定期的に診察で来られるため、専門の勉強ができるほか、他院と比べても診察件数が多いので、あらゆる経験が幅広く積めるのが、当院で働くメリットだと思います。とくに若手の獣医はその点、かなり勉強になるはずです。

前川 良子(まえかわ りょうこ)
北里大学卒業
2007年4月より現職
所属:日本獣医がん学会
趣味:読書、ボルタリング、旅行
ペット:雑種の保護猫2匹